鬼平犯科帖[2008/01/06・Vol.01 暗剣白梅香]




シリーズの第一段!

 魔物のような暗剣使いの近藤正臣(金子半四郎)、闇の元締め中村又五郎(三の松平十)、これだけでもワクワクしてくるよね。
 近藤正臣を初めて見たのは、「柔道一直線」ではなかったか。たぶん小学生くらいではなかったか。主演は桜木健一で、恋人役の吉沢京子がかわいかったなぁ。で、敵役が近藤正臣。ピアノを足で弾いていたのを思い出す。
 一方、中村又五郎もいい感じなんだよね。この人は鬼平のあっちこっちに出てくるが元締めをやらせても、お頭をやらせても、とてもいい役者でんな。優しいおじいちゃんだけではない、何か一本筋の通ったおじいちゃんです。
 さて、決して手を抜いてあらすじを書かないのではない。それは見てのお楽しみ。
画像もありません。皆さん、想像してくださいね。近藤正臣のニヒルな感じの浪人が、人の心を思い出していく姿。ある意味、かっこよくはないんです。逆に言えば、人の心がなかったからこその魔物のような暗剣なのだ。そして意外な結末と鬼平こと平蔵の感慨。正太郎さんの物語には、必ず人の心がある。人への思いやりがある。
だから、みんな好きなんだね。そして、憧れるのであろう。それは、自分が忘れてしまったもの、思ってはいてもできないこと、そんなことをふと思い出させてくれるのが正太郎さんの小説ではあるまいか。そして、その原作のそこのところをうまく演出しているからこそ、このドラマは長く続いたのであろう。



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