お酒の詩[2005/07/10・Vol.06 Glenfiddich]




シングルモルトと浴衣美人...

 フィディックはゲール語で鹿のことで、グレンは谷。フィディックは川の名でもある。創業者は、ウイリアム・グラント。1887年の暮れ、待望のモルトウイスキー最初の一滴が生まれたのは12月25日、クリスマスの朝だった。
 このウィスキーは、上から見ると三角のボトルをしている。ちょっとおしゃれな感じで、とても飲みやすい。よく見るのは、グリーンのボトルで12年ものだ。外にも15年もの、18年もの、30年ものまである。もっとも、私は12年ものしか飲んだことがないが。洋なしのようなフルーティーな薫りと、軽やかな後口。日本人には馴染みやすいスコッチだと思う。
 値段的にはシーバスとあまり変わらないと思うが、『Glenfiddich』を置いてある店はあまり見ない。人気がないのかな? もっとも、最近の若い人でスコッチにありがたみを感じる人は少ないのかも知れない。むかしのオジさんは、舶来品と言うだけでありがたがったものだが... いや、舶来品などという言葉自体、今は使わないのだろう。
 さて、スコッチなど飲むのであれば、イギリス風のパブであったり、カウンター・バーが似合うのであろうが、この季節、浴衣美人としっぽりと、というのはいかがであろうか。『Glenfiddich』のボトルのようにすらっとして、アップのうなじが色っぽく...
 いやいや、鼻の下を伸ばしてばかりでなく、大人の会話を楽しもうではないか。さて、今宵は小説の話、それもとエルミタージュの話?
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