旅行記[2008/01/16・Vol.16 崇福寺 in長崎]




異国情緒たっぷり...

 ここは長崎。出張で仕事が終わった後に訪れてみた。まず、三門の写真を見て気に入ったのだ。このお寺は、長崎で貿易を行っていた福建省出身の華僑の人々が創建し、中国様式の寺院としては日本最古のものであるという。九州には国宝が5つあり、そのうちの3つが長崎で、そのうちの2つがこの崇福寺にあるとのこと。ちなみにもう一つの国宝は大浦天主堂でグラバー園に隣接している。こちらは昨年の出張の折り訪れた。泊まったホテルがANAですぐ近くだったのである。
 さて話しを戻すと、思案橋から穏やかな坂を少し登り、左に曲がり、突き当たりの右側に『崇福寺』はある。これは「そうふくじ」と読む。ここの『三門』が竜宮城の入り口に見えるのは私だけか。
それにしても、日本の通常のお寺の門とは何と違うことだろう。この門を入ると左側に階段があり、登った先にあるのが『第一峰門』でありこれが国宝なのである。とても複雑な組み方の軒裏。何となく東照宮の陽明門を思い出してしまう。福建省にはこういう建物がいっぱいあるのだろうか。
 門を入るとすぐ突き当たりで、回廊は右に向かう。少し行った左側にあるのが、本殿である『大雄宝殿』で、長崎最古の建物という。そして、軒からぶら下がっている「擬宝珠付き垂花柱」がもう一つの国宝。この建物の正面にあるのが、『護法堂』。一番右の写真であるが、中央に[観音様]を祀る。そして左側には[韋駄天]。長崎は港町、このお寺を建てたのは貿易を行っていた商人。だから船を大切にするんだね。韋駄天は走るのが速いとされる神様、船足が速い事を祈ったのだろうか。そして、右側には華僑にとって商売の神様である[関羽]が祀られている。日本人には「お寺に関羽?」と言う感じだよね。
 さて、この『護法堂』の建物の左側には鐘楼がる。楼と言うより堂と言う感じの立派なものでした。さらにその左側には『巨釜』がる。江戸時代の飢饉の時、この大釜で雑炊を焚いて近隣の人々に配ったという。そしてその左側に[媽姐門]があり、門をくぐった先に海の神様として[天上聖母(媽姐)]が祀られている。[天上聖母]を守護するのは[千里眼(左)]と[順風耳(右)]。よく見ると結構ユニークな顔をしているのである。それは年数が経っているからなのか。この二神は、もちろん航海の無事を願う港町ならではのものではあるまいか。
 このお寺、福建省の華僑が建てただけに異国情緒がたっぷりだ。もちろん、こういったものだけが長崎らしさではないが、私には昨年行ったグラバー園や大浦天主堂よりも興味を引かれた。観光客でごった返していなかったのも良かったのかも知れない。
 お寺を出た目の前の道路は、崇福寺通り。この通りを下っていくと眼鏡橋などがある。時間もたっぷりあるし、長崎の街を「さるく」かな。




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