旅行記[2004/04/18・Vol.11 真鶴 その1]




海と中川一政...

  さて、「中川一政」の事を書いたのは、2002年の6月だった。確か、NHKの新日曜美術館で見た画が鮮烈だったのだ。そして、真鶴の福浦港岸壁で20年間画を描き続けた事にも感動したものだった。いつか美術館を訪れてみたいと思ってから、すでに2年の歳月が経った。そんな事を想いながらようやく重い腰が上がり、久々に真鶴を訪れてみた。昔はよく行ったものだ。当時はダイビングで、美術などにはあまり関心がなかった。1980年くらいの事だから、まだ中川一政も故人ではなく、福浦港で画を描いていたのかもしれない。
 家を8時頃に出て、小田急線で小田原まで行く。小田原駅も随分久しぶりだが、全く変わった。昔は、小田急とJRの乗換通路は地下道のようで薄暗かったが、今はホームからエスカレータで上がりとても明るい。JRのホームに降りると、すぐに10:23発の熱海行きが来た。小田原から早川→根府川→真鶴と3つ目で降りる。駅前からバスに乗って、半島の先を目指す。さて、どこで降りるか。全く当てはない。そうだ、昔潜った琴ヶ浜近くで降りてみよう。バス停は「宮地」で190円だった。バスを降りると、海側に「うに清」がある。50mほど戻ると海岸に出る階段があった。久しぶりの海だなぁ。こんな事なら、海パンを持ってくれば良かった。背中には、この前買った赤いリック。中身は、文庫本2冊とデジカメとタオルとTシャツ。ほとんど空だ。昔はこんな時にも、音楽は必需品だったのに...
 さて、海岸に出てみる。家族連れや、若者達のバーベキュー。ダイバー達もいる。僕も服のまま、波打ち際まで行ってみる。ここは岩場で、今は引き潮。潮だまりを覗いてみた。小さな魚やカニ、イソギンチャクやヤドカリがいる。何となく子供心に戻って、うにの殻を拾ってみた。
 やっぱりこんな所に、中年のオッさんが一人でGパンとTシャツでいるのは変である。早々に立ち去り、美術館を目指す。曲がりくねった車道を少し歩くと、右側に「佐々木信綱」の歌碑。その先は、分かれ道となっていた(この辺はアルバムを!)。左は一方通行で、その先に遊歩道がある。迷わず、そちらへ行く。ほんの20mくらい行った右側に小さなお社があった。老夫妻が歩いてきたが、どこから来たのだろう。かなりのご高齢である。さて、社をお参りし、遊歩道に入る。おっ、かなりの原生林という感じ。あれ、残念ながら文字数制限だ。続きは、その2で。



Back