旅行記[2002/04/26・Vol.01 兼六園の雪吊]




りんご吊り、しぼり、みき吊り...

 小松砂丘の短冊と、古九谷小壺に季節の花。そんなものが、飾り窓にさりげなくおいてある店「杏や」。ここは、むかし水原造園と言い、雪吊りの名人「水原章吉」の家である。そして、長女は言わずと知れた「水原由佳」。マニアックなお話しですが、「風花のひと」は、五木寛之の中でも好きな小説です。
 さて、『雪吊り』がこのページのテーマなので、ちょっとだけ聞きかじりを書いてみよう。
もともと『雪吊り』とは、積雪の重さで枝が折れないよう細工するものだ。その吊り方に〈りんご吊り〉〈しぼり〉〈みき吊り〉などの技法がある。雪の降る前、吊ったときにはゆとりがあって、積もった後の雪の重みでピンと縄が張り、美しくならなければならない。そこには、金沢ならではの古い城下町の伝統的なデザイン感覚が織り込まれて入れる。そして幾何学的な縄のラインは、何とも洗練されている。ぜひ、実際の兼六園をご覧頂きたいものだ。
 そのうち、違う季節に金沢を訪れて、また違った兼六園の風景をご紹介したいものだ。さて、一体何時になりますことやら...



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