美術館[2005/10/09・Vol02 ポーラ美術館]




自然に包まれた瀟洒な美術館...

  仙石原から強羅へ抜ける森の中に静かな入り口が見える。全体の基調は白と少しブルーがかったガラスである。メインエントランスは2階で、展示室はB1・B2に降る。今日の目玉は、『黒田清輝』だ。『岸田劉生』の絵はちょっと不気味で、あまり好感を覚えない。黒田の女性画は、近代西洋画の方向を大きく変えた。それこそ名前そのもののように、「清々しく、輝いて」いる。以前から、じっくり見てみたいと思っていたところ、今回の企画である。が、よくよく見ると『・・・の時代』なのである。これはこれで、藤島武二・萬鐵五郎などから、高村光太郎・武者小路実篤まで、時代としてみると確かに面白い。しかし、黒田の女性画を沢山見たかった私としてはちょっと残念だった。
 しかし、常設展の方は素晴らしい。印象派が中心となっているが、ルノワール・モネ・シニャック・スーラ・ゴッホ・マチス・カンジンスキーなど、有名どころがいっぱいだ。なかでも、「おぉ、今日は来てよかった!」と思ったのはシャガールである。今回の企画は、「故郷ロシアのヴィテブスクとのかかわりに焦点をあて、初期作品から第二次大戦前までの油彩および水彩による作品を展示」とあるが、もっと大々的に宣伝してもいいのではと思える作品ばかりであった。思わず、一巡りした後にもう一度見に行った。見方によっては非常に不気味な色使いなのに、何ともいいのである。逆さの人や家、空を飛んでいる恋人の二人、緑色の顔。まさに、シャガールの世界である。この小企画展は12月6日(火)までとのこと。
 静かな自然に包まれた美術館で、お気に入りの作品と過ごす秋というのはいかがであろうか?