画家再発見[2002/04/30・Vol.01 LALIQUE]




オパルセント、LALIQUEの美...

  乳白色のガラスの美しさがある。1920年から30年代にかけてラリックが好んで使った「オパルセント・ガラス」である。この名前は、乳白色の中に青みを帯びたオパールのような神秘的な輝きを持つことから付けられた。上の立像は、《タイス》と名付けられている。アレクサンダー大王の愛妾であり、アテネの踊り子でもある。1925年に制作されたものだ。
 ラリックの美の一つとして、女性をテーマにしたものがある。これは曲線の柔らかさが絶妙で、何とも優しい気持ちにしてくれる。方や奇妙な感触を持ちながら、透明なクリスタルの美もあり、そしてオパルセントの柔らかな美もある。ルネ・ラリックのガラスにかけがえのない魅力を感じるのは、私だけではないのではあるまいか。
 さて、今日は午前中ぽっかり空いてしまった。どうしようかと思っていたら、[LALIQUE]が目に付いた。11時頃に東京駅について、大丸ミュージアムへ向かった。最終日だったのでもっと混んでいるかと思ったが、思ったほどではなかった。まぁ、ゆっくり見られた方だろう。印象に残ったものはいろいろあるが、その中でも一番はカーマスコットである。目録の写真集を買ってきたので、近いうちに紹介できると思う。
 さてそのカーマスコットであるが、今回始めて見たものがある。それは、蛙のカーマスコットである。そもそもカーマスコットというのは、1900年代の半ば、自動車のボンネットにあるラジエーターのキャップに取り付けたマスコットだ。勝利の女神やら、5頭の馬、トンボ、ロンシャンなどなどである。なかなか粋でお洒落なものだ。今の自動車には、そんな遊びはない気がする。
 そんな中で蛙のマスコットというのは、[Lesson]と言う小説の中で佐伯伽耶がツトムにプレゼントしたものだ。120ページあたりからの一節である。まぁ、ほとんどの人は知らないだろうが...
 帰りに思わず買ってしまったのが、フクロウのグラスである。氷を入れるととてもいい音がする。今月の自分の誕生日プレゼントかな。今日は、久しぶりにいい一日だった。また、東京都庭園美術館に行きたいものだ。