ガラスの猫 Vol.01[2006/10/26]



とってもきれいなご主人様は、ぼくの自慢...

 僕はネコ。ガラスで造られた猫。
しっぽがなければ、子ぐまに間違えられてしまうかも?
「にゃん」って、なけないけど、ねこなんだ。

 ご主人様は、とってもきれい。僕の自慢なんだ。
ときどき、手のひらにとってかわいがってくれる。
でも、それをシマが見てると、後でいじめられちゃう。
ご主人様がいないとき、僕をひっかいていじめるんだ。
ころころ、ころがされちゃう。
たすけて、ご主人さまぁ〜。

 ある日、ご主人様は、まぁるい写真を僕のとなりにおいた。
浴衣を着て、ちょっとふり向いたご主人様。この写真の横に僕をおいてくれると、いつもご主人様といられる。
いつも、いつも、一緒にいたいなぁ。

 ある日、ご主人様が泣いていた。涙をポロポロこぼして。
どうしたんだろう?
ガラスの僕には、なんにもわからない。
悲しいけれど、なんにもしてあげられない。
泣かないでよ、かわいい顔で笑ってよ。

 ある日、ご主人様はお酒のにおいをさせて帰ってきた。
彼氏が出来たのかなぁ。
お嫁に行っちゃうのかなぁ。
僕も連れてってくれるかなぁ。

 僕はネコ。ご主人様は、とってもきれいなヒト...