高橋克彦[2003/05/06・Vol.02 龍の柩(斜陽館)]





聖邪の顔編...


 アクト・ナインの面々が初日に泊まったのは、斜陽館と言う旅館である。元は、明治の大地主・津島源右衛門の手で建設された入母屋作りの建物で、米蔵にいたるまで日本三大美林のヒバを使っている。1階11室278坪、2階8室116坪、付属建物や泉水を配した庭園など合わせて宅地約680坪の豪邸だ。これぞ、知る人ぞ知る〈太宰治〉の生家である。残念ながら、今は[金木町太宰治記念館]となり、宿泊することはできない。ちなみに、マイ・アルバムを覗いていただこう。ちょっと、泊まった気になれるかも?
 さて話を竜の柩へ戻すと、どうしてもはずせないのが、〈東日流外三郡誌〉なるものだ。「東日流」と書いて「つがる」と読む。この話をし始めるととても長くなるので、下のHPを参照いただきたい。
 斜陽館で一泊した翌日、久鬼達は十三湖へ向かう。この湖は気水湖で今はしじみが名産であるが、昔は十三湊(とさみなと)と言い安東水軍の本拠地であった。ここから話が始まり、龍を求めて信濃・出雲へと展開するのである。なんと言っても根底に流れるのは、記紀をはじめとする神話であり、耳慣れない神々の名前には、ちょっと躓き勝ちだ。しかし、話はピラミッドへと広がり、グイグイ引き込まれてしまう。諏訪の御柱がロケットを象ったものとか、因幡の白ウサギはエイリアンだったとか、出雲大社は大国主命の監獄っだったとか、などなど。息つく間も与えず、そしてとうとう出雲・船通山の鳥上滝の奥、龍を掘り当てるのである。さて、そこで...
 と言うわけで、詳しくは「竜の柩〈聖邪の顔編〉」をお読みください。次回は、〈ノアの方舟編〉でアララト山でお会いいたしましょう!

追伸
 「竜の柩」が終わり、「霊の柩」も読み終わった。「時宗」の巻の壱・弐を買った。しかし、その前に「南朝迷路」を読むのだ。登場人物は、ご存じ「塔馬双太郎」。浮世絵シリーズの後半と「ゴッホ殺人事件」ので活躍した人物である。明日からこれを読むのは、懐かしい人に出会ったようで楽しみである。